天領盃での醸造研修は2024年1月からスタートしました。 2023年の1月〜3月も研修に参加しましたが、当時は自身の仕事を優先し、点でしか研修を受けられなかったため、2024年1月に戻ってきた時はほとんど覚えていませんでした(笑)
そんな中1月下旬ごろに天領盃の製造部でチーム分けをし、チーム対抗でタンク1本分の醸造が決まりました。テーマは「白麹」これまで天領盃では使ったことのない麹菌です。正直、最初は戸惑いもありました。でも、未知なる世界への好奇心が胸の中でふつふつと湧いてきます。
白麹に関して全く無知であるため、情報収集からスタートしました。まず基本的な白麹の製麴方法を理解するために文献を集めました。文献以外に、白麹を使った酒造りに長けているぷくぷく醸造の立川さん、陸奥八仙の石橋さんから製麴のアドバイスをもらい、いざ製麴がスタート!白麹を使った初めての製麴は、緊張しながらも、わくわくでした。
最初はうまくいかないこともありました。包みの温度が想定よりも低くなってしまい、「あれ?大丈夫かな」と心配になったり。でも、諦めずに温度と湿度を丁寧に管理し、カバーすることで最終的に十分な酸を出すことができました。白麹のみんなありがとう!
仕舞仕事後の湿度管理が夜中、数時間置きに除湿していたため、今回の製麴では一番改善すべきポイントだなと思いました。
醪の管理も、これまでとは違う難しさがありました。1月2月の気温と同じような温度管理を考えていましたが、春の陽気が早く訪れ、温度管理に四苦八苦。 正直、最初に思い描いていた味わいとは少し違うものになりました。目指したコンセプトの味わいにはならなかったものの、雅楽代らしい綺麗な酒質にすることはできたと思います。 この経験は、私にとってかけがえのない宝物になりました。失敗も成功も、すべてが次への糧になる。そう信じています。
次は、もっと素晴らしいお酒を造りたい。そんな思いが、今の私の原動力です。 みなさま、どうぞこの若手の新しい挑戦の結晶をお楽しみください。そして、またご感想をお聞かせいただければ幸いです。